□月 ●日  No1549 幻想食糧倉庫


幻想郷に物資を送る際に留意しないといけないこと。
それは物価コントロールである。こと物資を運ぶ時に食糧などの自給率が低下しない
ように配慮する必要があるだろう。
我々の国でも、物価コントロールはとても重要な問題だった。
豊作になれば作物の価格が下がり、民衆の暮らしが貧窮する。不作になれば食べる物も
満足に確保できなくなると言う状態では、幻想郷の生活が破綻しかねない。


そんなわけで、幻想郷内部では幾つかに分けて食べ物をプールする仕組みを
用意している。有る程度の価格を保証するわけだ。 
それらを妖怪や人間が共同で管理する仕組みを用意している。
もっとも幻想郷だから巨大な倉庫に入れる必要なんてない。弾幕化し、
カードとして保存する。


この方法は、あの秋姉妹が提唱した技術として注目を集めている。
元々彼女達は、弾幕に米粒を利用しようとしただけなのだろうが、
それが食料保管に重要な技術だと分かったのは意外と最近だ。
隙間妖怪が食料保存をどうするのか悩んでいたときにでてきたらしい。


そのエピソードがなんとも面白い。
幻想郷に食料の保存庫を造る際にどこに保管するのか、そして保管コストを
どうするのか財源をどこにするのかで悩んでいた。
八雲商事任せはやはり幻想郷を脆くするものだとよく分かっている。
そして大きな問題は、相手は妖怪故に、食料庫が襲撃されると言うことだった。
この問題の解決を作物の保管に詳しい秋姉妹に依頼したらしい。


秋姉妹のプランはこうだ。
食料で食い詰めて襲ってきているのなら、食い物を弾幕にして
被弾率を上げ、追い返しつつも被害を最小にすべきと言ったのである。
被弾して酷い目に遭うが腹がふくれれば少なくても倉庫は襲われない。 
合理的だが食える代わりに怪我をするという考えが過激すぎる。


そのとき弾幕と一緒に食べ物を投げたのをみて隙間妖怪は思いついた。
カード内の弾幕容量を増やせば食料保管ができるのではないかと。
実際、秋姉妹が投げた弾幕は数年前の米だったのにもかかわらず
結構食える代物だったらしい。


かくして、豊作の場合はカード化、不作の場合はカードの解放
これにより幻想郷では物価コントロールがスムーズに行うことができるようになった。
何故顕界でやらないかって?やったら幻想郷の技術として
ここで使えなくなるじゃないか。