□月 ●日  No1548 実用的な話


八雲商事に入社すると妖怪に関する色々な知識を学ぶことができる。
あらかじめ漫画などでも予習は出来るが、あまり真に受けない方が良い。
その中でも割と簡単で直ぐに応用可能なテクをここで紹介してみようと思う。


幻想郷において妖怪と人間を区別するにはどうすれば良いかと疑問に思う人は多いだろう。
その場合、手を一度見るだけで大体の区別が付く。
幻想郷の人間は洗濯機が普及しきっていないので手が垢切れているかまたは真っ赤っかである。
クリームがあるわけではないので若い年代でも手がとても荒れている。
家事負担が大きい幻想郷では子供が親の手伝いをしないととてもではないがやってられないからだ。


対して妖怪達は、大半の生活を魔法に頼っている。
幾つかの家事については魔法で代用できるのだ。 まあ顕界と利便性については大きく
変わらない。それだけ家事の電化が進んだと言える。
従って、妖怪達や顕界の人間は手が殆ど荒れていない。 驚くほど綺麗だ。
幻想郷の住民も外の世界の人間はそれで区別していると言ってよい。


妖怪に出会った場合はどうするか?
まず必要なことは相手を観察することだ。 
ここでポイントなるのはどんな姿をしているのか? 知能はどれくらいかという
部分である。 会話によるコミュニケーションが可能な場合はこちらから挨拶してしまうと
相手は相当面食らう。 それだけで確実に先手を取ることが可能だ。


距離を取りたいときは必ず、相手を向いたままで移動する。
背中を見せて逃走すると確実に回り込まれるだろう。
こちらの恐怖を飯にしているため追いつくより回り込んだ方が良いことを学習している
妖怪は数多い。猛獣を相手にしていると思えば良い。


コミュニケーションがとれるならお菓子など甘い物を与えると逃げるチャンスができる。
ただし、あまり与えても駄目なので渡したら、直ぐに逃げる体制を取りたい。
もっとよこせと言われるからだ。 だからお菓子を渡すときも全部渡さないのが鉄則だ。


というわけで妖怪と出会った場合の鉄則を書いたが、ぶっちゃけうちの社員は
妖怪にあったら会社に報告して、情報を得てから行動している。
生半可な知識で臨むと痛い目に遭うので分からなかったら素直に逃げるのが正しい選択である。