□月 ●日  No1658 しかも絵が下手


 新入社員が入ってくる季節であるのだが、同時に入社試験のタイミングであり、人事関係が
にわかに活気づく昨今。 うちの会社は職業労働安定所とかには登録せず、ネットにも
あまり採用情報を書かないことからネットで取り敢えずエントリーシートを書く人種よりは
学校からの推薦とか、社員からの推薦とか、ヘッドハンティングばかりという状況である。


 この入社試験だが、当然妖怪たちも同じものを受けることになる。一応ルールだから仕方ないのだが
その結果が毎度毎度酷いということで、人事部の頭を悩ませる。
 まず根本的に幻想郷出身者には鉛筆の使用方法から説明しないといけない。 
 本当かと思われるかもしれないが、事実なのだからどうしようもない。


 さらにマークシートの説明もしないといけない。塗るものだと理解すると今度はそれで絵を描く馬鹿がいる。
誰とはいわないがまるで漫画のようなテスト答案がやってくる。
 当然知能テストがまともに機能するわけがなく、そのスコアは誰が見ても落第通り越した酷い代物だ。
 まず問題の意味を説明しないといけないのでこれがまためんどくさい。


 かくして、形ばかりの入社試験を突破した妖怪たちなのだが、もちろんその後で本当に
その程度の知能指数がないやつに出くわすと目も当てられない。
 ないしろ10までしか数えられない奴は文字がわからない奴が結構いたのだ。
 結局こいつらは上白沢のお世話になることになった。
 笑い事じゃない。


 そういうのを見ているので顕界の新入社員が妙に優秀に見えるという。
 無理もないことだが、その後またいろいろ苦労する羽目になるのだがそれはそれだ。
結論を言えば、世の中なかなか上手くいかないというわけである。