□月 ●日  No1675 武器を個人輸入したぞ


月の都で、冴月が武器の個人輸入をしているというので折角だから
その武器とやらを見せてもらう。 これら火器のたぐいは幻想郷にやってくる
主に兵器に用いられる。 戦闘機や戦車のたぐいがそうだ。
これらはガス欠になるまで遠巻きに観察され、うち捨てられてから河童たちに
分解されるのが常である。 


しかし、その間に妖怪たちと交戦状態になることもある。
そこで妖怪たちにも対抗手段が必要になっているという理屈だ。
なので、うちの会社の武器庫にはなぜかRPGとか携行型小型ミサイルも
一応在庫としてもっている。 妖怪たちもただ狩られるわけにはいかない。


最近侵入した飛行機はというと、鵺が撃退してくれたらしい。
UFOに攻撃されたことにして撃墜したらしい。 なるほどよくテレビでUFOと
遭遇したという目撃証言は決して嘘ではないようだ。


さて、冴月が月の都で買ってきたのが、ガウスライフルという代物である。
きちんと米軍系のデザインを採用していた。 
いわゆる電磁で弾丸を加速させる代物だ。
強力な防弾チョッキなどにより弾幕が効果がない場合は、これで仕留めるらしい。
それだけ防弾チョッキの性能が上がったことを評価すべきなのだろうか。


冴月に言わせると月ウサギもこれらを使っているのだが、
メンテナンスが上手くできなくて、持てあましているらしい。
結局彼女たちがもっているのは時代錯誤の古めかしいデザインになっているが
ローハイミックスとはいえ、月でも単純構造の銃が好まれるのは
興味深い話である。


いちおうガウスライフルを試射してもらった、的が粉砕されて粉だけが残り
奥の壁に深々と穴が開いた。 試射場の人が苦い顔をしていたのでろくに
発射できずに終わってしまった。 


まあ、そういうわけで、先日戦闘に投入されたガウスライフルは、
まあそこそこの戦果を上げているのだが、ウサギですら持てあましている
理由は何となくわかった次第である。