□月 ●日  No1728 着信あり


割とどうでもよい話であるが、会社のスペルカード処理や発注処理を行う端末の話。
これは本来電話機であり、そこに着信音をつけているケースが少なくない。
私や明羅女史の着信音はデフォルト設定だが、おおむねマナーモードのままである。


しかし、それを変な設定にする者が少なからず存在する。
それは多々良小傘嬢の話。 懐かしい曲に耳を傾けていたらそれはパチンコホール
音楽だったという。 何処からなっているのか プリズムリバーの仕業か
それとも山彦妖怪の仕業かと思ったら、なんと音源は北白河だったとか。


本人は顔を真っ赤にしてマナーモードに変えたらしい。


岡崎の曲は割と普通のクラシックだったとか。まあ彼女らしいと言えば彼女らしい。
浅間は完全に演歌だったとも聞いている。
だが、ここで完全に斜め上突っ走った人物が居る。


それは多々良小傘にこの幻想郷の存在を教えた人物だった。
奴は八雲商事に在住し、薄い頭髪がトレードマークのめがねを掛けた男だったという。
本人もプロフェッサーだと聞いていたという。


彼女は相手を驚かせてなんぼの妖怪だった。
しかし彼の行動には彼女自身驚くしかなかった。
その携帯電話からこんな声が聞こえたのだ。


「お兄ちゃん、お電話ですよ お兄ちゃん、お電話ですよ。」


それは彼女を幻想郷へと旅立たせる動機としては十分だったといえるだろう。


もちろん彼女からの伝聞であり驚かせるための方便だったと
言えなくもないが。 いや嘘だと言ってくれ。