□月 ●日  No1736 改造手術


これは悪夢だ。 なにかの間違いだ。
多分社員一同そう思っているに違いない。
それは明羅女史のある発言から始まった。
「朝倉さんも素材がいいわけですから、きちんとメイクすればきっとモてますよ。」
大体こんな感じだと思う。


で、明羅女史が使っているというメイクアーティストさんを呼んできて
朝倉さんが改造されることとなった。
が、そのメイクアーティストから折角なのでテレビに出ませんかとまで言われる。
この発言にボスが反応した。 おい大丈夫かという表情である。


朝倉理香子は魔法使いである。身体の若さを保つ仕組みは月面の技術を導入し、
聖白蓮」の技術よりもはるかにエレガントである。
それはお肌年齢などにも影響される。彼女は確かに二十代の外見をしているのだが
肉体年齢的には十代のそれなのだという。
メイクアーティストが反応するのは至極当然なのである。


で。結局改造手術を施すことになった。本当は手術をしているわけではないけど
あまりに変化ぶりにそう形容するしかなかったからだ。


そして改造完了 それをテレビ越しでみたのだが
みんな絶句してしばらく間時間が止まっていた。
元々背が高いから服が映えるのもあるだろう。
いや、これはまずい。中身が朝倉だと知らなければ余裕で落ちる。
周囲の男性がみなで大騒ぎになった。これは凄い。


そんな朝倉が帰ってきた。 メイクが落とされていてみなげんなりした。
複雑な顔をしてあれはちょっと出来ないと言っていた。
ボスがやっぱりとぼそっと言ったことが何となく印象的だった。