□月 ●日  No1754 ちなみに費用はそれほど高くないと思う


霧雨のご息女がよく盗みをはたらくというがそれほど問題となっていない件について。
幻想郷で盗みをはたらくというのはとても難しい。
幻想郷は強いて言うなら銃社会みたいなものだ。犯罪をした人間は容赦なく弾幕
放たれるのが通例である。


その基本的ルールは米帝に似ているといえる。だが大きな違いはその先だ。
幻想郷にはスペルカードルールがあるのは周知の通り。つまり犯罪者にスペルカードを
発射して完全に回避されればそれは犯罪者の勝利と見なす。
もちろん、本業で妖怪退治でもやっていない限り遮蔽物なしで弾幕を回避するのは
事実上不可能である。


故に霧雨のご息女は盗みを働いても大きな問題とならない。
ルールに則れば間違ってはいないからだ。倫理的には間違っていてもだ。
しかし、実際のところ霧雨のご息女が盗みをするのはあくまで顔見知りのところだけである。
そして盗品は最悪でも香霖堂か、ご息女の家に侵入すれば帰ってくる。


不思議なことに彼女の家に満足なセキュリティがないのだ。
むしろどうぞ持って行ってくださいと言わんばかりだ。
最悪の場合はそこから自分のものを持って帰る奴が多い。
また、鉢合わせが怖い場合は人形遣いのアリスに頼むのが一番だ。
比較的ノーリスクで物を取り返してもらえるだろう。


この行為のため二人の関係にはなにか特別な物があるのではという観測もあるが
それはまずないと言って良い。どちらかというとアリス・マーガトロイドのほうが
はるかに大人であり、依頼を粛々とこなしているだけに過ぎない。


そんなわけで、彼女と顔見知りになる場合は色々注意がいるわけで。
色々大変なわけであり。アリスに依頼するのも無料じゃないわけで。
困った話である。