キョンシーが行き倒れになって痙攣しているのでなんとか薬屋に運ぶ。
死体だけにクソ重くて輸送が最悪すぎる。
もともとキョンシーは死体を輸送するためのテクノロジである。
大量に出来た死体を荼毘に付すために一時的にゾンビ化してから輸送し
火葬場へと効率的に運ぶ。
ここでポイントとなるのは乗り物には燃料が必要なのと同様に
ゾンビにもエネルギー源が必要となることである。
ゾンビを利用する方法は、技術的にはとても理にかなっていると
薬屋は言っている。人間の消化器官は想像以上に効率がよく下手な内燃機関を
用いるより結果的にエネルギー効率がよかったのだという。
さて、肝心のキョンシーだが、最初に言われたのは、よく噛みつかないで
済んだということだった。これについては運が良かったというしかないらしい。
問題の彼女はもはや噛みつく力すら残っていなかったようである。
理由はもちろん燃料不足であろう。
墓場から一歩前へ出ると、幽霊の密度も極端に減ってしまうのだから当然だ。
ゾンビ製造器が博麗神社に寄生して暫く経つが結局実入りらしい実入りは
なかったと聞いている。当然だ。彼女に経済的何かを期待するだけ
間違っているという物だ。
とりあえず適当に燃料がいるというので、鶏の血抜きで得た血液を与えてみる
再起動プロセスの後なんとかこの娘は目を覚ましたが意識が混濁していた。
手が掛かる奴だ。
原価ほぼゼロなので大量に与えるとなんとか動けるようになった。
今度は人を襲う可能性があるので、たまたまおいてあったフェムトファイバーを
利用。 幾ら彼女が怪力でも逃げるのは困難なはずだ。
一晩おいて次の日みたら腕がもげた状態でひとしきり暴れたキョンシーが
そこにいた。大慌てで縫合。 面倒だから棺桶に突っ込んでそのまま
ゾンビ製造元に運ぶことにする。 多少の問題は無視して欲しい。
無言の帰宅を果たした?ゾンビをみたゾンビ製造元だが、しばらく悩んだ後
私に金を貸してくれと言い出した。自分で返すからと言っているがとりあえず
無視させていただいた。