□月 ●日  No1890 顕界の通信インフラはブリキ缶だぜ


さてさて、幻想郷には緊急連絡システムが数多く配置されているが。
実は顕界の通信システムは思いの外脆弱だって話。
八雲商事内で、万が一の通信システムを精査したら、弱いところは幻想郷ではなく
顕界のインフラという結論が出て、関係者が驚いている。


妖怪達は独自のネットワークを持っている。まず移動速度が速い。当たり前だが
時速30?はコンスタントに速度を出すことができる。
結局伝書鳩のような手段で情報を伝達する方が早いという結論になった。
中にはテレパス系の能力を持っているものもいるが、この手の妖怪は残念ながら
ほとんど地下にいる。


幻想郷の通信インフラと言えば人工衛星だ。顕界の技術と言いたいだろうが、気にしてはいけない。
しばしば新聞を賑わすデスマシンな妹君が破壊してくれるのも人工衛星だ。


人工衛星は通信ハブだけではなく監視衛星としての役割を担う。
この辺のアクセスは八雲商事社員には開かれている。 プライバシーもないと思ってはいけない。
そんなプライバシーを覗くほどこの衛星は暇ではない。
この衛星の最大の目的は、幻想郷にいる危険人物を避けるために存在する。
ぶっちゃけ妖怪よりも人間の方が怖いし脅威だ。


幾ら妖怪達の脅威と言われる3馬鹿といえど、あの辺は交渉が通じるのでずっとマシだ。
最大に危険なのは特に理由もなく妖怪を遅うデストロイヤーどもの方である。
そういえば3馬鹿どもは早くもマミゾウによる借金でがんじがらめになっていた。


一方で顕界の通信は意外と脆弱だ。無線はしばしば混信するし、携帯電話はアクセスが
増えるとすぐにベンダーの都合で通信制限をかけてしまう。
迂回通信手段があるわけでもなくあっという間に混乱してしまった。
そんなわけで、うちの会社でも幻想郷に用いているような衛星電話システムを
入れてみようって話も出ている。


災害になると、通信するより空を飛んでる妖怪の方が情報が早いという状態はなんとか
したいものである。
もっとも幻想郷用の電話は電池が意外と重いのがネックだったりする。モニターが大きいのも
その要因のひとつ。もっと軽量化して欲しいと切に願うばかりである。