□月 ●日  No1889 外では殺気みなぎるにらみ合い


ぶっちゃけ聖徳王も大師様も似たような人種であることは間違いない。
大師様はあまりに権力に対して無頓着だが、あっちは正反対という特性はあるにしてもだ。
しかし、二人の老化に対する対応ぶりは半端無かった。


隙間妖怪主催の化粧セミナーに二人が参加していた。
そもそも二人は現状でもナチュラル系で通せばノーチェンジで通りそうな外見ではある。
聖徳王は完全に太っていた。いや、悪い意味で太っていたのではなく健康的になったと
いうのが正しい。 服の大半が着られなくなったと北白河から聞いているが、
最初は骨まで見えていたくらいだったので大分マシといえよう。


この企画、未来世界?の化粧に衝撃をうけた二人のために行われた。
はじめて見る化粧品ににおいを嗅いだり舐めてみる二人がほほえましい。
最初は喧嘩でもするかと思ったが、二人は大分大人である。当然と言えば当然。


ファンデーションや乳液などにびっくりする二人。一応顕界のものをノーブランド化
した特価品であるのだが、必要十分だ。
講師はうちの社員から明羅女史やなぜか薬屋が投入された。
薬屋の存在は一応保険である。二人にゆかりがある人物を置くことで、中で喧嘩に
なることを防ぐ意図がある。


が、ふたりは大はしゃぎである。特に聖徳王、鏡をみて大騒ぎしていた。
そう、彼女の時代ではこんな高解像度の鏡なんてなかったのだ。
あの当時鏡と言ったら銅鏡や水鏡とかの類だった。
水鏡より美しいと騒ぎ出したのである。これには大師様も「そうでしょう」と
大興奮。 彼女も大興奮した口である。


終始、和やかというか完全にガールズトークに終始した本イベントだったが
案の定、鏡一式が手に入らないかと3馬鹿から話が来て、ああ、やっぱりと
思うわけである。 安いからいいが。
妖怪の仕業とか思わなかったのは少々意外だったりする。