□月 ●日  No1862 あたらしい朝がきた きぼうの朝だ


聖徳王がいきなり私たちのところにお辞儀をしてきたので少々騒ぎになる。
たいしたことはやってない。連中の体が粉みじんに吹き飛ぶように
博麗の巫女がとどめを刺した後に発破ボタンをおしただけだ。


問題は肉体を残さず消去だったが、例の扇子をリモートコントロールで振るだけの
機械を河童たちに作ってもらって解決した。
博麗の巫女に当たらないようにかつ自分たちにも当たらないようにした結果がこれだ。
綿月姉妹が振るかと思ったが、彼女自身も事故が怖かったらしい。


扇子は無事に回収してこの廟も一応何かしら再利用されるとのことである。
すでに大師様が集団墓地にしようと言っており、たぶんそのことを知ったら
彼女たちは発狂するだろう。奴らにとっては儲けのネタにしかなっていないのだから。
しかも仏教にとっても有り難い聖徳王の廟である。彼女自身は実はそうではないと
主張しても、いや後世ではこうなってますで通る。


さて、術完成後の体の状態だが。正直白玉楼のお嬢様と変わってない。
たぶんこれで連中は仙人と主張するだろうが、これではただの亡霊である。
前の方が生きていた分まだ有り難いのではなかろうかと思う。
たぶん、そのまま生きていても相当辛い闘病生活を送ることになるだろうが。


よくみれば大分血色もよくなっている。それでもあまり健康的ではないのは
この術そのものの完成度が低いからだ。当時我々が居たら確実に突っ込まれる
レベルである。まあ、それらができたのは数百年後だから仕方ない。


この辺は、問題ない。


さて、その後だが薬屋のところでちょっとした悪巧みをさせていただいた。
薬屋の店の地下にちょっとした施設を拵えた。
そこには液体の中に眠っている3馬鹿じゃなかった三悪じゃなかった三人組の姿。
体を消滅させないと駄目なのではと薬屋に尋ねると、「オリジナルは消去したから
ノーカン」とだけ答えられた。
月面の肉体複製技術恐るべし。


これらは一応保険である。 奴らが喧嘩を売ってきたら早速利用する予定だ。
金は掛かったけど、薬屋の財政がこの公共事業でちょっと一息ついたことを
明記しておきたい。