□月 ●日  No827 虫妖怪が意味するところ


豊穣のカミが暗くなる頃。
虫妖怪リグル・ナイトバグはこの時期になると冬眠の準備で大忙しである。
暖かく過ごせるように防寒装備を送り届けるのだが毎度驚くのは羽振りの良さだ。
少なくても博麗の巫女や例の神社にいる自称現人神がうらやむくらいの経済力である。


どれくらい凄いのか。
たとえば永夜事件の時のこと。虫妖怪は博麗の巫女に速攻退治されたが
全くの無関係なら彼女は闘いに巻き込まれることは無かったはずだ。
実は薬屋が何度となく虫妖怪からお金を借りているからだという。
衣服を見ればわかるが概ね弱い妖怪とは思えないほど衣服は上等だし
センスもお金も掛っていることがわかるだろう。


第一彼女がゴキブリというあだ名がついていること自体が
彼女の金持ちぶりを示しているといえる。
ゴキブリは幻想郷ではコガネムシといわれ、お金がある家にしか住み着かないことが
知られているからだ。


これだけの富を集めているのはなぜだろうか。
それは沢山のサイドビジネスのためのようだ。
そして虫妖怪は豊穣のカミの実行部隊としても知られているのである。
豊作不作を左右するのは天候だけではなく、虫妖怪の裁量で決まるといっても過言ではない。
そのほかにも蜂蜜の販売にも手を伸ばしこちらも沢山の収益を上げているのである。


しかし、彼女の最大の特徴はこれだけお金を稼いでいるのに
あまりその部分がクローズアップされてないところだろう。
もちろん理由があって、得た収益を林業など自分たちが住みよい環境にするために
利用しているからだと言われる。


実際虫妖怪にその辺の話をしたら、社会貢献を普段からしていれば
嫉妬から身を守ることができると言われた。
虫妖怪の動きは、ただ蓄財するだけでは駄目だと言うことを
我々に教えてくれる。