□月 ●日  No1855 こんなものです


一度に10の質問を聞き分けるというアレであるが、本人がきちんと質問を理解して正しい答えを
出しているかどうかは別問題である。


この考えに至ったのはこの聖徳王と名乗る人物が私にこんな質問をしたからだ。
お金の概念はなんとかわかるが有価証券や株とは何だろうというのである。
お金のような物だと思って返答しているようだ。


当然ながら目眩がした。こんな適当な答えでいいのかと尋ねると、人間は明確な答えを求めているだけで
その裏にある何かを理解はしないと言われて更に目眩がした。
朝倉にこの辺の話をすると、そもそも聖徳王の時代にお金の概念を語ることが難しいと言われた。
長命な妖怪にも色々尋ねるが、聖徳王の時代だと民衆の多くが物々交換であり、海外の通貨を
導入し始めるかどうかというレベルだったようだ。


たぶんこいつは博麗の巫女がいう賽銭についてもきちんと理解していないだろう。
一応断片的な情報というのはたまに浮遊する幽霊に聞いてはいるのだろうが、合っているのは
用語だけで、中の意味はちんぷんかんぷんだった。
もう、どうでもいいから地底に帰りやがれと思ってくる。


一時的な健康を取り戻すために色々なものを喰わせたが、とにかくこいつらときたら最高に安上がりだ。
我々にとって安い食事でも奴らには豪勢な食い物に見えるのだそうだ。
まあお菓子などの技術もこれからで、甘い物と言えば果糖くらいなものだったのだから仕方ない。
羊羹すら食えるのかと尋ねられるのが実情だ。こりゃ大変だ。


別の階で同じく復活した仙人もどきも現在リハビリテーションに掛けている
だいぶ元に戻ってきてとりあえず普通の生活が出来るレベルになってきた。
そろそろ聖徳王が復活したことを伝えても良いだろうが、どうせ博麗の巫女達が
進入してきたら分かることなので放置。


ちなみにこいつらは幻想郷に暮らさせると文化ギャップで発狂するだろうという結論に至ったので
当面は隔離の予定。