□月 ●日  No1863 一応水際防御はしている


幻想郷では常識を捨てねばならないと誰かが言ったわけだが、
ぶっちゃけある程度の常識を常に持っていないと色々な意味で身を守ることが
困難である。
そんなわけで、私の装備の中から防毒マスクが刷新された。内容的には
ほとんど顕界の防毒マスクと同じである。 何に使うのか。


幻想郷の中に所謂幻覚地帯みたいなものがある。吸えば脳に作用して
宇宙が見えたりとかそんなものだ。
幻想郷でも所謂実践的魔術の利用にはこうした幻覚物質の利用が結構成される。
朝倉みたいな人種ではそこから更に先の世界に突撃しているのだが
魔法を使い始めた人などはこの手の問題で事故を起こす者も後を絶たない。


幻想郷において捨食の術や捨虫の術が何故生まれたのかという話が朝倉からあった。
長期間の寿命のためだと思う人もいるかもしれないが、最初にこの術をつくる
きっかけはもっと別なところにあるらしい。
それはマジックマッシュルームのことであるという。


マジックマッシュルームすなわち幻覚キノコを食べるとまず訪れるのは
吐き気である。そのためこの手の儀式の前には断食するのが常なのだが
当然栄養状況が悪い幻想郷ではそんなことを続けたら確実にあの世行きだ。
そこで、栄養状況を確保しつつも物を喰わなくて済むという身も蓋もない
というか都合の良い術の研究が始まったという説が存在する。


実際、捨食の術はそうした先人達の技術の集合体である。
もちろん月面から持ち帰った技術が一番のノウハウだったのだが。
それを言うと綿月姉妹が発狂するのでそれ以上はやめておく。


そんなわけで、最初は幻覚を効率的に見るために生まれた術なんて物が
そのまま便利な術として幻想郷では生きているわけで。


何が言いたいかというと


聖徳王がああいう体になったのは至極当然なんですって話。
だからこんなマスクが必要なんですよね。 困った話だ。