□月 ●日  No1852 「ほとんど無害」


聖徳王の体力が回復するまでこちらは放置。状況の説明ならびに報告。
その後公安と名乗る者の取り調べがあったが、長いのは綿月依姫のほうであり私は
比較的早く解放された。もっともお互いの見解は概ね一致しており、
綿月依姫の見解は「無害」私の見解は「ほとんど無害」である。


本人は道教がもたらす特別な力で人がひれ伏すと思っているが、ぶっちゃけ奇跡があまり珍しくない
この地において奇跡を売り物にする行為がすでに間違っている。
いいところ妖精が暴れている、デストロイヤーが暴れているとかその程度の認識しか無く
むしろ迷惑行為である。


彼女たちが目指した永遠の命や若さとやらは技術革新で大分コストダウンしていた。
捨虫の術とかあの辺あたりがそうだ。
たぶん、関係者がその話を聞いたら全員がひっくり返るだろう。


聖徳王とか言う奴のやり方はその97%が無駄なプロセスで占められており、
しかも意趣として使うべき薬品を服用するなど「ノウハウって大事ですよね」を地でいく
色々なエラーが重なって内臓がボロボロになっていた。
もう彼女をどうにかさせるにはサイボーグにするとかした方が早いという印象だ。


月面の技術でちくちく治せばいいのだろうけど多分完治に数年はかかるし、治療するにも
体力が充分ないので、このままあの連中のやろうとしている術につきあった方が
こっちも面倒が少ないという結論になった。
実際のところああいう形で仙人になったとしても、本当の意味で不死を得られるわけではないそうだ。
人の世まで人間を続けていられれば満足なんだろうって話になった。


そんなわけで、一応作戦は立てられた。まず博麗の巫女達が聖徳王をどつく。
肉体を消滅させるまで戦えなければいったん引いて貰って仕切り直し。
中途半端に破壊されたら、綿月豊姫が使っている素粒子扇子を一泊二日レンタルで借りてきて
がっちり破壊するに決まった。
最初から扇子を使えと言いたい人もいるが、巻き込んで廟ごと崩落したら私が脱出できない。


というわけで方針決定。
こんなやり方で大丈夫か?