□月 ●日  No1944 世の中は移り変わっている しかし変わらないものもあるのだ。


幻想郷に行けば人が温かいと思っている人がいるようだが、これは嘘だと思っている、
人間が関わっている以上は様々な感情が渦巻きあまり状況は変わっていないようにも見える。
顕界では情報のやりとりが多いから集団ヒステリックになりにくいと思われがちだが
私にはどっちもどっちに見えてならない。


聖徳王にしても大師様においても殆ど同じ意見が聞かれた。
年数は経って人の生活は便利になっているが、人間の本性は殆ど変わらない。
競い合う対象が変わっただけで基本は全く変わらないのだという。


どうしてこんな話になったかって?
河童の一人が新作と称して私に本を渡してきたからだ。
もちろん春画本であり、混怪で頒布する代物のつもりだったのだろうが
すでに混怪は終わっている。そのことを話すと、河童が涙を溜めているので、
とりあえず次のイベントで出すからと言うと納得して貰えた。
その本を、あの二人に見られたというわけだ。


「いつかは誰かがやると思っていたが実現しているとは」
聖徳王の発言で思わず噴いた。
当時の紙メディアは極めて高価で基本的に公文書などを書き記すくらいの利用方法しかない事を
考えるとこれは理解できる発言である。


大師様、私の頃はすでにジャンルとして確立していたという。
腐女子の世界は平安時代にはすでに完成されており、あのころ流行った本とかは
すでに基本的な話は出尽くされて、どんどんエクストリームな話になっていたらしい。
どこかで見たような光景だが、聖徳王が無言でうんうん頷いているところを見ると
世代の断裂どころかこれら妖怪 人間共々 基本的に何も変わってない事実に直面する。


つくづく因果な話だなと思う次第である。


ちなみに本は安定のNTRものだと記しておく。