□月 ●日  No1910 身近なものでも無いものはない


幻想郷で鍋と言われると色々と頭が痛くなる食べ物でありまして。
何でも入れるからこそ種類が問われる始末の悪い食べ物だったりする。
大半が幻想郷内部で自給不可能なんてことがざらだからだ。


今回は例の糞狸である。彼女が鍋にしようとしたとき、幾つかの問題に気づいた。


白菜がない。


顕界では当たり前の白菜だが、実はこの白菜。幻想郷では自給不可能な野菜筆頭である。
白菜の栽培ノウハウが確立したのはつい最近のことで、数世代であっという間に白菜が
雑種へと変貌してしまうからだ。 


つまるところ幻想郷にある白菜は雑種化した白菜という訳なのだが、当然こんなのは
白菜じゃないと言うことで、お店を回ったところ。 お店の人の中には白菜すら
見たことが無い者までいる始末で、嘆息して帰ってきたという次第。


白菜を食べたがるのというと自称現人神もそうなので、一応ルートそのものはある。
意外と日持ちがしないので在庫として持つことも出来ないのが困る。
しかも量を仕入れると、半分くらいは余ってそのままラップで包んで岡崎当たりが
持って帰るというのがいつものパターンだ。


このように幻想郷で顕界と同じ食料を食べようとするととたんにハードルが高くなるのである。
このとき糞狸は幻想郷にやってきたことを後悔したそうだが、どうせ彼女はいざとなったら
顕界に帰ることもできるのであまり問題視してはいない。


強いて言うなら、顕界から再び幻想郷にやってきたときに色々な食い物をもってきて
里香女史とかヤマメ女史とかを困らせはしないかということである。


幻想郷に旅立つ場合は幻想郷で食べられない食い物を食いだめしてから是非お越しいただけますよう
お願いしたい次第だ。