□月 ●日  No1914 暗いけど電球はつくよ


幻想郷には電気があることはすでにご存じの通り。もっとも発電所の性能は
低くいつも電力が潤沢にあるとは限らない。


幻想郷で電力インフラを見たとき、まず最初に入れようと試みたのは
直流式の電力システムだった。それがあっさりと交流システムに移行したのは
単純な理由だ。直流システムではあまりに資材が必要だったのである。


直流システムは確かに幻想郷にあったシステムではあった。結果的に
電力システムを幻想の世界に移行させるのにはとても有利だった。
しかし、直流システムには問題がある。
それは、長距離伝送を行うとあっという間に損失を起こしてしまうことだ。


短い距離の間に発電所なんてつくる資材も財源も幻想郷にはないし
第一電線が足りない。
長距離に電力を輸送するには交流システムを採用しないといけないのである。


というわけで、幻想郷にも顕界とあまり変わらない電力システムが
採用されることになった。もっとも定格電圧がないので、しばしば電圧不足を起こす。
香霖堂でパソコンが動かない理由は単純。 電圧が足りないからだ。
勿論本人には本当の理由を伏せているというか分かってないので説明していない。


妖怪の中には電化製品が自分を排斥するのではないかと思っている者もいる。
そのため満足に電力が通っているところ言えば、ごく一部の地域。
とりわけ八雲商事関連施設とその他と言うことになっている。


余談だが、八雲商事の電力の半分くらいは魔界から供与を受けている。
その理由は、パンデモニウムの電力が余っていることと、彼らの外貨獲得の為である。
幻想郷の配線が地底に埋まっているのは概ね発電所が地底にあるためである。