□月 ●日  No2019 ○耐の朝倉


公安の連中が朝倉を守りたいと言ってやってきてみんな目を見張る。
なんでも彼女を拉致して技術を奪いたいとかいう困った人がいるのだとか。
一応傍目から見れば、そこそこの外見をしたうら若き(ってことにしておく 女性である。
実は一人で居た方が色々とやりやすそうな気がするのだが、朝倉にとっては
断る理由もないため仕方なしに受け入れることになってしまった。


もっとも彼女は自分のことは自分で守れる。常時起動するBOT(ボット)と呼ばれる攻撃端末を
呼ぶ出す技術はすでに確立しており、よほど人数を呼ぶ出さなければ概ねこれでなんとかなる。
ぴんと来ない人は、博麗の巫女が展開する陰陽玉の類や霧雨のご息女が展開する魔術玉とかの類を
制御する技術だと思えばよい。 通常は燃費が悪いので、常時展開するわけにはいかず
妖精達を撃破したときに放出される呪符を燃料にして動かすことが出来る。


もちろん単独で動かす分にはそれほど問題にはならないが、高機動時すなわち弾幕回避のために
高速移動するために移動する際に発生するであろうGなどを制御するシステムを常時実行しながら
強襲する場合は常時エネルギー補給が必要なのである。


朝倉には常時監視と護衛が付いたのだが、朝倉は不満顔である。自分が重点防御したいところに
彼らが居るのだから当然である。 同時にそこがウィークポイントになるとさえ言っていた。
そして案の定、朝倉を狙った族が動いた訳なのだが。
もちろん撃退されたのは当然のことで。出来るだけ公安の顔を立てるというコンセプトだったから
まるで連中が超能力者みたいになっていたらしい。


疲れ果てた朝倉の姿をみて、辛かったんだろうなと公安の人は言っていたが、お前らのせいだとは
口が裂けても言えなかった。 守ってくれたことは間違いないのだから。
それはそうとして、朝倉がそれほど愚痴を言わなかったのはいい男が居てロックオンしていたからなのだが
残念ながら既婚者だと知って落ち込んでいたということも書いておく。
その間我々も平和だったのだが。


短い春だった。