□月 ●日  No2018 幻想マルサ


糞狸ことマミゾウが帰省。一輪嬢をボディーガードにつけての帰還である。
ぶっちゃけ、一人で帰省してもあまり問題ないような気がするのだが、
最近物騒だという一言で霊能局内で予算が下りてしまったのだという。
帰還には結局我々の列車を使うことになった。燃料費やら予算を考えると
我々のインフラにただ乗りの方が安いことは明確である。


マミゾウの金貸し会社だが、きちんと従業員がいる。半分くらいは妖怪で構成されている。
専属の弁護士までいてそいつも妖怪なのだという。世の中広すぎる。
そうえば、彼女は常時スマートフォンを所持していた。幻想郷でスマートフォン
けったいな感じであるが命蓮寺にいながら業務をこなしていたというのだから恐れ入る。
通信キャリアは我々のところを使っていたとのこと。
顕界よりも快適だと言ってとても評価してくれた。


移動の列車の中で彼女が取り出したのは大量の予備バッテリー。
それを一個一個接続しつつも電話連絡している。
どこかの保険会社の損失を補填するべく、お金を貸してくれと言う内容であることは
話の内容から推察できたが、その内容たるやとても酷いとしか言いようがない。
資産を担保にすることを要求し、傍目から見てもけっこうえぐい。
まさに合法高利貸しである。


一輪嬢になにか言わないのかと尋ねると。昔は神社仏閣の類も金貸しをしていたのだという。
たしかに大師様の世代で考えるとその通りだとすぐにわかる。
基本的に檀家のために低金利で貸し付けるものであり、彼らの生活の下支えをするものであるらしい。


マミゾウの話しではなんでも一輪嬢は幻想郷を脱税に利用しないための監視もしているのだという。
幻想郷にも踏み込めるマルサという存在はきちんと存在しており、妖怪達が抵抗したときに備え
八雲商事製スペルカードを利用できるのだという。
しかもルールもへったくれもなくどんどん投入するので物量で負ける妖怪達は大体抵抗できなくなるらしい。


ちなみに転居状態となると一応住民税の類は免除される仕組みとなる。
この辺の話しは八雲商事経理課内の税務署出張所にて話を聞くことができるので
興味がある方は是非行ってみるとよい。