□月 ●日  No2062 ヴァルプルギスの夜


皆様 ヴァルプルギスの夜ですよ。幻想郷の境界が色々なパターンで振動が生じて
事故発生率が跳ね上がる夜であります。 八雲商事の列車もこの日はダイヤが半分になります。
結界振動を見ての移動になるわけです。


ヴァルプルギスの夜というのは要するに幻想郷と顕界の境界が揺らぐ日と言われますが
要はこの日にみんなで魔術的儀式をする方が多い日ということです。
一人一人は少ない力ですが、集まると結構洒落にならない。
きちんとアストラルトリップとか、パスワーキングの技法を学んでいる方はそもそもこの日に
術を使うことはないと言えば、どれだけこの日が危ない日かわかるってものです。


ちなみにアストラルトリップもパスワーキングも要はインスタントで幻想郷に行く手段であります。
聞いたら、メリーとかレンコとかはとっくに試したと言いますから世も末です。
もちろん彼女たちの場合はきちんとした文献があったそうなので比較的マシな部類と言えます。


まずいのは自我流でございまして、多いのは幻覚キノコとかを用いるやり方ですね。
このパターンだと、片道で移動できるのですがその後戻るのが困難です。
お薬の力を借りる場合もありますがこれも片道になる可能性が大であまりお勧めできません。


この日に列車を走らせますとそこそこの確率で事故になります。 結界も振動を繰り返すと
その部分が固くなるんですね。 丁度静脈注射を何度も行った組織が硬化するのと
同じような現象です。 この状態で可能性移動を行うと何かが割れる音がして、
列車が引っかかってしまいます。 こうなりますとドクター列車に牽引して貰わないと駄目に
なってしまうわけです。 とても難儀です。


一応、この日はというと警備の人達を除いて概ね休みとなります。
それぞれの場所でつかの間のゴールデンウイークとなるわけです。


そういえば、メリー達の会話を聞いた岡崎先生が顔を真っ青にしていましたが
一体何だったのでしょうね。 黒歴史でもほじくりかえされたのでしょうか。