□月 ●日  No2072 不便になれば解決ってわけじゃない


我々、八雲商事の主な任務というのは、所謂幻想郷住民を飢えさせないことであります。
もっとも全くゼロにすることはできませんが総体として飢えさせない。生きるための食料は
確保することであります。


幻想郷で一番警戒すべき事。 それは食糧難です。
実際の食糧難は本当に過酷でありまして、食べるものがなくなれば、地面に生えている草から始まり
樹木の皮に手を出し、最後は石にまで手を出すのが人間であります。
もちろん石を食べたものはその後命を奪われますが、ここまで飢える状態が続けば、博麗大結界を
破壊しようとする者は確実に現れます。 
実際、結界を張った直後は食糧難による問題が発生したわけです。


ここでいう食糧難はちょっとニュアンスが異なっているかも知れません。
当時は妖怪共々栄養に関する知識が希薄で、脚気が風土病だと思われていた時代でありまして
備蓄すべき食料に偏りがあったんです。 しかもリソースの分配が上手に行われていなかったので
結果的に食料が行き渡らない結果となったわけで。 
結局本当に大切なことは幻想郷内部での食糧自給率を高めることだったりします。
古米備蓄などもかなりおおがかりにやることであります。


幻想郷で最も警戒しないといけないのは実は妖怪ではなくそこに住んでいる人間であります。
人間の心を餌にする妖怪達でありますが、しばしば人間の心が妖怪達を凌駕します。
妖怪は博麗大結界が破壊されれば自分たちの存在が危ぶまれるので案外結界を破壊しようとは
考えないのですね。 


その意味で実は一番警戒しないといけないのは概ね人間だったりするのです。
場合によっては始末することも視野に入れた対応が必要になるってわけです。
それが 妖怪が言うところの「管理」って奴なんですね。