□月 ●日  No2165 情報交換


倒れた 動けない。
混怪は毎度ながら恐ろしい。やってくる人の列。一歩間違えれば熱中症になりうる熱気と人の数。
明らかに空気が薄くなっている。どうやってここにいろと言うのかわからない状態である。
そんななか周囲の注目を違う意味で浴び続けるのが朝倉だ。 彼女の魔術は実はこの日のためにあるのではないかと
疑いたくなるような姿をしている。 しかも彼女の恐ろしいところは着替えを必要としないことだ。
朝倉のスペルカードがいわゆる衣装である。 認めたくないがこれはひどい


そもそもここにサークルスペースを構える理由は、ここには人間と妖怪が混ざってもわからないという事情がある。
現代ではネットで妖怪同士の交流が可能だが、実際に会って情勢の話をするとなればこういった場がとても有効である。
なにしろここに数百の妖怪が混じったところで誰もわからないのだ。
ここに妖怪が混ざる理由はもうひとつある。変身が不完全でもコスプレ衣装として認識してもらえるのだ。


人間型への変身は一定のノウハウが必要で手取り足取り教える必要があるのでこうした集まりは便利に働く。
妖怪の中には目的と手段が逆転している者もいる。 ひどいケースでは自らサークルを作って本を売り出す者までいる。
恐ろしい話だがこんな感じだ。


妖怪たちはかつてはお祭りのたびに同じようなことをしていたことが知られている。
これは妖怪同士の顔見せなどを行い、お互いの共存のため協定を結ぶためにおこわなわれている。
人が多く萃まるところで行うことに意味がある。
それが現代版になったにすぎない。


それにしても、幻想郷の今後を話し合っているのにはた目からはアニメの設定話にしか見えないというのだから
世の中広いと思う。