□月 ●日  No2284 予算がない


八雲商事の物資輸送列車の劣化が止まらないというか、最初からそこまでいい列車なんて乗ってない。
八雲商事の物資輸送と言えばこれまでは中間管理職狐に頼って幻想郷への道を開けてもらっていた。
もちろん彼女にはリソースがあるし。忙しいので大体の場合何日か単位で予定が狂うのである。


基本的に列車は既製品だし、新造の列車なんてめったに乗れるものではない。
考えてみれば幻想入りした列車という扱いだから仕方ないと言えるかもしれないが
たぶんそれは口実で、どう考えても古くなった列車を末永く使いましょうシステムとしか思えない。


岡崎が入社して、幻想郷侵入が自力で切るようになったとき、岡崎が毎日のように言っていたのは
予算が足りないの一言だったと思う。列車を新造するのかと思ったら試作機数機を作りながら運用するという
使い方になっていた。しかもそのうち半分は分解されて荷台に載せられて、ほかの気動車
引っ張られて運ばれている。


コントローラーは本体から外されているが、ケーブルでえっちらほっちら運転席に運ばれて
ガムテープで取り付けさせられている。酷い話だがこれが事実である。
最初幻想郷に自力で行ける列車だと言われてすげえこれなら最強だ。と思ったら今までの
列車と変わらないというかシートがひどすぎて事実上のエアシートという代物で色々泣けた。
ざぶとんを載せたら幾分マシになった。


こんな調子なので八雲商事と言ってもものすごーくお金がかかっているところと掛かっていないところの
差は酷いと言うのは理解してもらいたいところである。
まあ幸いにして、気動車ゆえに運転時に発電される電力で色々なものが充電できるのは
便利と言えば便利なんですけどね。