□月 ●日  No2296 負の治安維持


顕界に竿竹屋っているじゃないですか。あれ不思議なことにどこも地域も関係なく同じ言葉を使う。
そして彼らはある場所を中心にして商売をしているのです。それは顕界に住んでいる妖怪たちの住処である。
竿竹屋さんには色々な噂があり、公安が絡んでいるという話もありますが、実際のところは顕界のインフラを
利用するような妖怪たちを監視する役目を担っていると聞いたことがある。


この手の妖怪たちは格安の市営住宅などに住んでおり、不便な暮らしを強いられているように見えるが
実際のところはあまりに年齢を重ねているため新しいものを入れても対応できない輩が多いが、
幻想郷に行ったら行ったで不便さには耐えられないという何とも言えないような妖怪たちがたむろしている。
この点については多々良小傘あたりがそのカテゴリーに入ると言えるが、彼女は皆が思っている以上に
たくましかったため、幻想郷に行ってもそれなりに暮らしているというのが実情のようである。


彼らはなぜ格安の市営住宅に住めるのか、それは土地利用の観点から、休んでいる土地があると色々な意味で
突っつかれる可能性が高いためというのが一つ。これは新しい家を建てる際市街化調整区域に家を建てるのに
その前に住民が住んでいたことを証明する必要があるためと言われる。
また、市営住宅を塩漬けにするのにも有効である。彼らが立ち退かないと言う理由をつければ、再開発の
タイミングは自治体の裁量に任せられるというメリットがある。


妖怪たちはこれまで文明とは関係のないところに住んでいたため築年数が古い家であっても
それなりに寧ろ快適に暮らすことができるという。
この仕組みは幻想郷に行く能力はないが妖怪たちがヒトを襲うのを防ぐのによい防波堤になっているらしい。
しかし、彼らの動静を探る必要があるためこうして竿竹屋などを用いて彼らの動きを探っているのだと言う。


このように妖怪と人間の共存は実のところ社会問題と連結しており、とても複雑な様相を呈しているものである。