朝倉理香子にとってスペルカード開発とは月面人への復讐のために存在するものであり
彼女にとってコスプレとはより効率的なスペルカード開発のための開発ツールに過ぎない。
◆パチュリー・ノーレッジ フォーム
彼女が最初期に手掛けたエミュレートであり、彼女の魔術に白羽の矢が立ったのは比較的彼女が定住状態にあり
取材が容易であったことと、複数属性を内包した術であり、全体の基本になりうることなどが挙げられる。
しかしながら最初期のスペルカードだったため、動作の安定性こそたかいものの効率性に難があること。
服装面の再現性の低さにおいて問題が多かった。これは当時の彼女が実はお洒落で色々な服装を用いていたことに起因する。
初期型と後期型があり、特に後期型は現代技術を用いたリビルド版となっており身体的負担が大幅に軽減されている。
◆ナズーリン フォーム
テーマは索敵 物を探す能力から索敵能力への転換を目的としたフォームである。
ナズーリンのダウジングロットはもともと電磁波を検知することに優れており、実際の鼠も微小電磁波から地殻変動を
推測することができることから、物を探す能力というより、五感の強化を目的としたシステム構成を狙っていたことが
わかる。しかしながら、実際のところは論理的思考への変換部分において難があったため、単純に見える能力の割に
内部処理的には極めて複雑な構成になってしまった。
◆射命丸文 フォーム
テーマは身体強化 天狗が持つ高速移動能力を可能にしているのは人間をはるかに超えた呼吸システムによるものである。
高速機動や高高度行動は朝倉の魔術をもってすれば問題は少ないのだが、どうにもならないのが呼吸の問題であった。
射命丸文の姿の本質は酸素呼吸効率の大幅上昇による身体能力の向上にある。
しかしながら体内に大量に生まれる活性酸素の処理手段が見つからなかったため、実用化したのは博麗大結界が
完全分離してさらに半世紀以上経過したタイミングだったと言われる。
◆アリス・マーガトロイド フォーム
テーマはOEM頒布 神綺より依頼を受けてアリス・マーガトロイドのために開発したスペルカードのデバッグ環境である。
当時スペルカードを用いない弾幕戦は身体的負荷が大きく、神綺としては重傷を負ってしまった夢子の事例を鑑み、
よりリスクの少ない弾幕戦を渇望していた。そこで、朝倉理香子に多額の予算を投入しアリス・マーガトロイドのための
ディストリビューションパッケージを作ることで双方が一致したのである。これまでスペルカードは個人作成であり
その文法から宣言方法に至るまでバラバラだったが、このバージョンから大きく構造化されていった。
射命丸文フォームの完成もこの時開発された追加機能挿入 クラスプログラムより可能となっている。
彼女のスペルカード開発を境にモダンスペルカード開発が始まったと言ってもよい。
この時、モダンスペルカード開発環境にパチュリー・ノーレッジの魔術を使ったことから最初期のスペルカードは
紅魔館の妖怪たちに配布された経緯がある。
◆十六夜咲夜 フォーム
テーマは月面人の能力解析 十六夜咲夜が紅魔館に編入されたことは朝倉理香子にとってはまさに幸運と言える出来事だった。
月面人の能力に近しいと思われる、彼女の能力の解析はのちの八意永琳のスペルカード開発の礎になっており、より
短納期でスペルカードを開発を行うことを可能にしている。 十六夜咲夜のスペルカードはほとんど彼女の能力に
おんぶにだっこ状態であり、時間停止をより効率的に行うことができる程度で十六夜咲夜にとってはあまり扱いやすい
カードではないと思われる。 このおんぶにだっこ状態はレミリア・スカーレット フランドール・スカーレットにも
採用されており、永夜異変直前の改良型登場まではスペルカードシステムは想像以上にお寒い状態だったことがわかる。
とはいえ彼女のスペルカード開発以降、紅魔館からの資金提供が追加されたことでスペルカード開発は
大幅に進化した。その結果が紅符「不夜城レッド」や幻符「殺人ドール」である。スペルカードに強力な
エフェクトをつけることができるようになったのは次世代バージョンの最大の特徴だった。