□月 ●日  No2411 妥協点


幻想郷に物資を運びますと外部から、魔術で生成すればいいじゃないかという意見が飛び出すことが
あります。個人的に申し上げますとできれば苦労がないと返しております。
そもそも魔術で一発生成に見える物の多くがどこかから物を調達しています。隙間妖怪が
燃料を手に入れるときも、きちんと取得先があるわけです。タネのないマジックができないように
魔術は常に種がいります。


タネとはどういうものか。ここでいうタネとはそのものがどんな代物かの総合情報です。
魔術で生成する場合はそれがどんな代物でどんな構造体なのか、どういう寸法でできているのかを
きちんと定義しないといけません。その証拠に弾幕で発射される物体は基本単純な
構造体をしております。意外と複雑なものでも部品点数は想像以上に少ないか、
気合でその都度回収しているかのどちらかです。


冴月がロシア製の銃を使うのも魔術生成しても誤差に耐えられる構造をしているからです。
そうでなければ暴発して使い物になりません。彼女が銃を生成するとき幾つかの部品が
一緒に落ちるのですが、これは製造失敗で落ちる部品と言われます。
魔術で生成はとても不安定な代物なのです。様々な道具でアシストすることで
ようやく可能なものなのです。


そうなると人間楽な方がいいってことになります。
物資を運びましょうと言う思想は、その方がコストが安くてリスクが少ないって
だけの話なのです。無縁塚にある物資にしてもそうです。
しかも必要な物資はたくさんありますからその都度魔法で生成していたら手間で仕方ありません。
第一品質を誰が保証するのでしょうか。


そんなわけで八雲商事というのは外から物を供給するわけであります。
全ては妥協の産物というわけです。はい。