□月 ●日  No2597 そもそも使うなよって話


打ち出の小槌といえばうちの社内でも特A級の危険アイテムとして知れ渡っているシロモノでありまして
振れば大量の魔力を放出するが、やがてはその魔力をもとに戻すというシロモノであります。
以前も取り上げましたが、魔力は放出すると何かしらの要因で消失またはロスまたは消費されるわけですので
打ち出の小槌が回収する魔力は必然的に少なくなるわけですが、少なくなった分を術者に還元するというのが
こいつのとんでも無いところというわけです。


使ってしまった小人族につきましては大変運が悪いというしかありませんが、多分永遠にあの姿のままだと
思います。本人はもとに戻れると信じているようですが、たぶん無理じゃないかと思えるのですね。
もちろんかなり違う点もあります。通常は付喪神の活動エネルギーに持っていかれるはずのエネルギーが
今回はうちの会社からみのエネルギースワップが働いて想像以上に消費量が少なかったというのです。
そんなわけですから小人族につきましても消費エネルギーとの間をとった寸法に落ち着くのではないかと
いう観測がございます。


この件について朝倉がかなりごきげんななめでした。
何でも朝倉の有り余る魔力で回収エネルギーの一部を補填してくれと逆さ城の住民から要請があったとかで
実は朝倉の有り余る魔力というのは実態がないのです。彼女の場合まず術を使うときに消耗する魔力が
少ないのです。このへんが出力とキャパシティを上げまくる大師様や他の魔法使いと大きく異る部分です。
さらに、朝倉は一度放出したエネルギーをスーパーチャージャーで再利用再回収も行っています。
これがリフレッシュという魔術です。なので彼女は延々と戦い続けられるように見えるというわけです。


従いましてただエネルギーを注入しろと言われても困るわけですよ。
打ち出の小槌っていうのは効率の悪いエネルギー源の代表選手みたいなものですから。
そんなわけで、彼女の機嫌はここしばらくは良くならないというのがおおかたの見方となっております。
なーむー。