□月 ●日  No2676 技術革新


 幻想郷には天邪鬼なる鬼にもなりきれない妖怪がおりまして、
 一応、異変の首謀者ってことになってるんですが、あまり目立っていないという困ったことになってます。
 通常異変の首謀者っていうとそれなりに退治されておしまいなのですが、
 今回のように複数の異変が複合要因で起こる場合、どうしても目立たないといいますか、
 存在を忘れられるというどうしようもない展開になります。


 なんでこんなことになったのかといいますと、複合的に発生した異変のほうがはるかに脅威だったというのと
 あまりに金のかからない団体だったため、支援もいらなければ世話もいらないというものでありまして
 八雲商事内部でも扱いに困っているという次第なのですね。


 今回トラブルが最小限になったのは比較的早期に小槌の問題を認識できたこと。
 実のところ朝倉が月面人とやりあう時に小槌を借りて、月面に満ちているエネルギーを利用して
 小槌を運用するという外道な使用方法を編み出したため、以前のようにエネルギーが極端に放出される前に
 内部で再利用されるようになっていたことが挙げられます。
 

 潜熱型魔力交換器という技術で小槌の呪いを本人が小さくなる程度で押さえ込めたというわけです。
 普通、付喪神が動けるようになるのに必要な魔力は一般人の命をあっさり奪うものですから
 そう考えると驚異的な燃費といえるでしょう。
 

 やっぱりアレだ、朝倉が小槌を出さなかったら今回の異変 ゲフンゲフン