□月 ●日  No2739 なかなかうまく行かん


 幻想郷は鏡の世界みたいなものという意見がある。
 紫鏡というものがあるから宜なるかなというところだが、鏡の世界なら普通に
 顕界の丸写しになるが自明なので、あまり現実的でない。


 鏡というのは意外と始末が悪い。
 特に現代の鏡はコストを下げた反面寿命が短い。基材の上に反射用のラップを貼って
 その上にガラスを載せただけだ。基材は酷いとダンボールの場合がある。
 ダンボールは湿気を吸うので、ダンボールから中の反射シートを錆びさせる
 なんてことが普通にある。


 で、どういうことかといいますと、この手法は毎度のことながら
 安定しないというわけだ。安定させるためにメチャクチャ高コストで
 接合部の処理を行った鏡を使うなんてこともあるが、これも高コストすぎる。


 また鏡は歪みにも弱く、そこで構成された世界が容易に変質することから
 実のところあまり使いものにならないのだ。
 実験ではヤスリでちょっと削ったら術式が吹き飛んだとあるので
 どれだけシビアかわかっていただけるだろう。


 上手い手段って意外とないんだなと思う次第だ。