□月 ●日  No3051 喜べない


 今日、配偶者がバケモノの類であることはそこまで珍しいことではないと思っている。
 バケモノとはいえ、配偶者の前ではまず猫をかぶっているので、何もトラブルがなく
 寧ろ、食料が安定供給されるため殺した殺されたは殆ど無い。


 が河童は別だ。
 彼らには致命的な欠点がある。
 彼らは性欲が強すぎるのである。寧ろこの性欲は技術を取得するときは有利に働くことが
 多いのだが、この世界ではだいたいトラブルを招くことで知られている。


 そしてこの配偶者もまた数股かましている中々熱い状態だ。
 一部はダブル不倫状態にもなっている。相手は妖怪なので性病の危険があると
 思わないのだろうか。


 しかも我らが業界で河童が困る理由はこの依頼案件の単価のやすさだ。
 なにしろ隙あらば異性と一緒になっているのだ。
 あっという間に証拠が集まってしまうのである。 
 おかげで仕事がはやいと言われて少々色をつけてもらったが
 少々複雑な気持ちなのも確かだ。