□月 ●日  No3064 八雲商事電力部の愚痴


 幻想郷はとんでもないところです。
まず電気が通っているといいますが、そこまで便利じゃないです。
第一コンセントが機能してないと言うかサービスブレーカーとかがないんですよ。
電気工事は専門の技師がやらないとダメなんですわ。


 しょうがない、幻想郷に電気事業法なんて便利なものはないんですわ。
電気事業法っていうのは一応周波数と電圧が101ボルト±6ボルトって規定があるんだけど
幻想郷では電気の使用状態で70ボルトくらいに低下するのはざらなんですよ。
上がる時に150ボルトくらいになるから、電球も専用のものを輸出しているんです。
そうしないとあっという間に切れるんですからたまらないです。


 電圧も安定しないので、うちの社員ではモバイル端末が必須アイテム。
バッテリーが命綱です。
 最近、うちの社員が高電圧用のアメリカ用コンセントが使えることを発見して
うちのサポートバッテリーを充電してみたら、見事に充電できて感動したのですが
後日バッテリーが爆発したという話が出て禁止になってしまいました。


 安定した電力を手に入れたいなら何と言っても妖怪の山と相場が決まっているそうです。
その証拠に洩矢の家は妖怪の山にしか移築できなかったそうです。
他のところに移築すると、マジでファイヤーになりかねないという結論になったわけよ。
それくらい電圧が安定しないってことなんだけど、やはり幻想郷と電気というのは
あまり相性が良くないよなと思うところ。
 

 自称現人神こと東風谷早苗が地底に発電所を作ろうしたけど、あれは幻想郷に安定した電力を
供給しようと言う一大プロジェクトだったわけですよ。ただ、発電所を作ったところで配電網は
どうするんだという根本的な問題がクリアーできずに、無理やり高圧電線ルートを構築しようとして
ぐだぐだになったようだね。
 やっぱりインフラ周りは一日にして成らずってことですね。