□月 ●日  No4353 と意味不明な供述をしており


 株式会社八雲商事 当局はマルハチと呼んでいるこの組織は
 妖怪変化が経営する商社ということになっている。
 彼らは遺構を独占し、それを何処かへと運んでいるようである。


 遺構とは、過去に出現した様々な歴史的物体の総称であり
 科学的解析が必要とされる品々とされる。俗称はオーパーツとなる。
 もっとも一般的なオーパーツは危険度が低いまたは偽物であり
 世間に公表されているものであるが、実際には数多くの遺構が存在し
 その争奪戦は各所で行われている。


 かつては祭祀的な運用や支配権の正当性を示すものとして利用されているが
 現代では材料工学などに応用され、基礎研究の底上げに役立っている。
 特に遺構を持つことは、特許対策にも非常に有効であり
 経済大国になった国は遺構を収集するようになるのが通例であり
 そして遺構が原因で破滅へと進むことになる。


 なぜなら遺構の多くが人間にとって有害であり
 よくて何人かの命を奪い、悪くてその場の様々なものを破壊する
 その能力を制御することが出来れば、人類にとって大きな利益になることは
 間違いないのである。


 ゆえにこのマルハチ呼ばれる組織は有害であると思われる。
 本来なら人類が享受すべき遺構を独占するという行為は損失に他ならない。
 我々は彼らを監視し、場合によっては遺構の奪取も辞さないと考える。
 それが人類にとって有益なことであると確信するのだ。