○月 △日  No353 個人面談 新しいビジネス


うちの会社では定期的に上司との個人面談が行われている。
概ね一ヶ月に一度のペースで行われており、自分の目標達成のためになにが必要かを
アドバイスしてくれたり、意見を交換したりするための場である。
面接してくれるのはうちのボスである。
朝倉ではない理由は察してほしい。


今日の質問は妖怪と接する際にストレスを感じないかという内容だった。
私は外国人と接するつもりで行動していると答えた。
彼らの文化を尊重した上で自分の意志をきちんと明示すれば恐れることはない。
特に自分の意志を心の中に押し込めるのは、妖怪相手の商売では恐ろしいストレスだ。
多くの妖怪は我々を子供のような感覚で見つめている。
従って多少の意思表示は多めに見てもらえることを経験として学んだつもりである。


ボスは「ならばお客様にエイリアンがいても問題ないな」と言った。
現状で竹林のエイリアン相手に商売しているわけだから、私にとってエイリアンも妖怪も
同列の存在である。 だから個人的にはあまり問題になるとは思えない。
「今後は相手を獣としか思わないような者とも取引をすることになるかもしれない」
という内容で今日の個人面談を終えた。


もしかすると月ウサギ相手に商売を始めるつもりなのだろうか。
地球名物のお菓子とかを販売したら面白そうだ。
朝倉曰く、月でも地上からやってきたものがブームになることがあるらしい。
過去、妖怪たちが月へ攻め入ったときは妖怪たちが持ち込んだ紅白餅が
大ブームになった記録がある。
幻想郷が結界の外の物品を見てブームになるのと同じような現象が月でも起こっている
事実に私は個人的に親近感が湧いてきた。