□月 ○日  No513 リアルXファイル


昨日から業務命令で米帝へ飛ぶ。
普段は幻想郷へ物を届ける仕事をしている身として、米帝へ荷物運びとは
何とも不思議な気分である。
うちの会社にある資料室からネバダ州にあるグレームレイク空軍基地に持って行く。
あの有名なエリア51である。


飛行機から米帝空軍チャーターのヘリコプターを経て現地に到着
あちらこちらに撮影禁止やら無断侵入者は警告なしに発砲とか穏やかではない
看板を目にする。 基地構内のとある建物で検品をする羽目になった。


基地構内はうちの会社によく似た作りになっていた。
職員の中には妖怪達もいるようだ。彼らはミュータントと呼ばれているらしい。
うちの会社と違ってここの妖怪は人間外の外見でも誰も気にする者がいない。
むしろ全身タイツだったり、上半身裸の筋肉隆々の男だったり、
モデルのような美しい姿態を備えた顎が角張った方などよりどりみどりだ。
最近は妖怪たちが認知されており、簡単に市民権も得られるらしい。


以前お会いした黒服の人と軽く挨拶を交わしてから運んだ荷物の概要を説明する。
なんでも世界最古のエイリアンにさらわれた人物の記録だそうだ。
ここで言うエイリアンとは月人のことである。
本当は中国にもこれと似たような資料があるのだが、より具体的で
客観的な資料的価値を考えるとこの資料が採用されるそうだ。


帰りがけ、ヴィヴィットの開発元から苦情を受ける。
ミスアサクラにヴィヴィット運用の仕方を再検討してくれと言う内容だった。
ヴィヴィットたちは本来、人間が行くことができないところでの活動が可能なように
作られた物で、これによって月面の結界振動による攻撃を防ぐことができるのだが
コマンドログを見てもいい男を捜せとか、コロッケ3個買ってこいとか
掃除洗濯をやらせたりとか、クリスマスケーキをつくれとか酷い有様だという。
たぶん無理だと思うがと念を押して承諾した。


朝倉に国際電話で報告する。
エイリアン土産を買ってこいと指示が出る。
そんなものがあるのかと現地の人に聞いたらあることあること
飲み物から人形まで色々な物が手に入った。エイリアンが主人公で地球人を殺す
ゲームなんてのも置いてあった。
米帝も基本的な発想は全く同じだと感じ入る日であった。