□月 ○日  No527 例の神社跡地の攻防


例の神社の跡地に占有屋が入ってきたので排除しに行く。 
土地名義人の自称現人神が行方不明になったのでハイエナどもが
仮設の神社にたむろしはじめたという寸法である。


と、理屈では分かっているものの本気で怖い。
相手はそれ系の人たち。いくら朝倉や明羅女史が一緒でも怖いものは怖い。
朝倉が体をくねくねさせながら「もし監禁されたらどうしよう」とかやっている。
すかさず部署内全員で「ないない」と突っ込みが入った。


面子を集めて一気に突入、目標を排除しようとしたらそこには借金取り天狗二人組の
姿があった。 皆でしばし沈黙。
もちろん奥には強面のお兄さん達もいるのだが、知り合いと言うことで終始和やかな
雰囲気になってしまった。


結局、天狗達と一緒にコンビニで酒やビールやつまみを買いに行き
神社内で酒宴が始まってしまった。
もともともみ合いがあるということで丸一日スケジュールを組んでいたから
すぐにけりがついて帰ってしまっては何かとまずいのだ。


強面のお兄さんが焼き鳥を焼いてくれたのだが、屋台仕込みの焼き鳥が美味すぎるので
レシピを教えて貰うことにした。 夜雀に教えれば喜んで貰えそうだ。
朝倉は格好良さそうな男を見つけては逆ナンパを仕掛けている。
逆に男に言い寄られているのは明羅女史だった。 ネゴシエーターとして名うての彼女だが
男のあしらい方も完璧だった。


宴もたけなわになったころ、シートの上でよだれを流して寝っ転がっている朝倉を
運んでいたら、よりによってウワバミOLの浅間に見つかってしまった。
仕事をさぼっているのがばれてしまうということで、浅間を巻き込み二次会スタート
彼女のウワバミぶりを舐めてかかった我々が悪かった。
酒に強いはずの天狗まで酔いつぶれ、こっちは代行を頼むのに追われてしまった。
目的は達成されたが、飲み足りないと言う浅間はそのまま夜の街に消えてしまった。


帰りがけ天狗達が妙なことを言っていた。これだけの人数と結界があれば
奴さんも手が出せないと言う。 たしかにうちの面子も占有屋排除の割には
ものものしい人選だった。この土地には何かがあるのかも知れない。