□月 □日  No610 致命的欠陥


ロケットの根本的欠陥が見つかり急遽会議。


話は昨日に遡る。 ノーレッジ女史からロケットの図面を譲ってもらって適当に眺めていたら
大切なことに気づいた。 トイレがない。
メイド長に時間を止めてもらって、便意を催すのを防ぐのが有効だが
この場合、当のメイド長のトイレが大問題となる。


元々紅魔館にはトイレがなかった。尿も便もその場でやってしまい、
メイド妖精がすぐに片付けることになっていたからだ。
ベルサイユ宮殿だってトイレがなかったのだから、トイレを作ろうという発想がそもそも無いことに
気づかないといけなかった。


幸い、緊急用宇宙服に使うための紙おむつなら注文できるので
大慌てで一月分発注する。 密閉された空間でおむつを交換すれば何が起こるかは想像したくないが
女同士だからたぶん大丈夫 なわけがない。


臭いだけでも対策しないといけないので、洗浄便座のメーカーを訪ねて臭いを取るための
オゾン式脱臭機と脱臭スプレーを購入。これをメイド長に引き渡すことにする。
メイド長に事情を話したら、案の定お嬢様の臭いが気になるわけがないと言っていたが、
博麗の巫女と霧雨のご息女の話をしたら、手をぽんと叩いてすべて納得してくれた。


そのメイド長。ロケットは禁煙かと尋ねるので、当然禁煙だと答えたら、普段は一つしか頼まないタバコを
1カートンまとめて注文してきた。 乗り込む前にまとめて吸う気なのだろうか。
他人の趣味にとやかく口を挟みたくないが、在庫にあった禁煙用パイプをメイド長に渡したら
たいそう喜んでいた。


実際のところはスペルカードの弾幕格納技術を応用したクロークカードもいくつか積み込まれるため
ロケット内の物資はあまり心配しなくてよいのかもしれない。
あとはヴァンパイアの主人だが、普段の生活通りに行動しないことを祈るばかりである。