□月 ●日  No683 雑記と会社の福利厚生


最近体の調子がいい。 特に体を鍛えているわけではないのだが
やっぱり幻想郷にいると、澄んだ空気に包まれて暮らせるのが大きいのかも知れない。
また生活習慣も固定化支えられることも大きいと思う。


うちの同僚が職場結婚をした。とりあえず籍を入れて披露宴は後日行うとの事。
うちの会社は結構職場結婚が多い。妖怪を受け入れている所為で女性の割合が高いのもあるが
やはり幻想郷そのものが秘密とされているので、自ずと気心しれた職場内でのつきあいが強くなるためだろう。
私もよく学生時代の友人と飲みに行ったりするのだが、やはり発言は言葉を選ばないといけないので
多少なりとも疲れてしまう。


職場結婚と行っても寿退社する者は殆ど居ない。
幻想郷の知識を持つ者が会社をホイホイと辞めてしまったら大損失だからだ。
特に女性に対する福利厚生システムがとても充実している。
社歴が長い妖怪たちの意見が強いのだから当然かも知れない。


たとえば会社の敷地内に幼稚園がある。 一般の女性社員にもとても好評である。
また社内にはカルチャースクールやスポーツジムもある。
専門の社員専門のスタッフによって運営されている。


一見すると福利厚生がしっかりした会社だと思われるかも知れないが
どうもこれらには明確な意図があるのだそうだ。
ソムリエ教室に通っている浅間からそんな話を聞いた。


たとえば幼稚園にしても朝倉に言わせると幻想郷に普段から接している人間の子供は
幻想の者との縁を強く持つため特に子供の時は会社を挙げて守らないといけないと言うことらしい。
神職に就いている者の娘や息子を専門に喰らう妖怪もいるという。
カルチャースクールは幻想郷に住んでいた人を助けるために作ったものだ。
妖怪たちが外の世界のルールを知るためにそういう学校があるという。


単なる福利厚生というわけではなさそうだ。


結婚した同僚から、自分も結婚しないのかと聞かれるも返答に困る。
社内恋愛したくても玉砕を繰り返しているし、人間じゃない人に好かれてもそれはそれで困る。


さらに何度か大けがをするたび生還しているので、もうすでに妖怪にされたのではないかと
からかわれて困る。 私みたいな人間を妖怪にしたところでさしたる重要性なんて無いはずだろう。
そういえば少し前に沢山生えていた白髪が全くなくなったが
きっとストレスから解放されたからに違いない。


そのことを朝倉に相談したら「アホか」とだけ言われた。
ひとまず私はまだ人間であるらしい。 
気にしていても仕方ないので取りあえず忘れることにする。