□月 ●日  No741 月でのダメダメな一日


久々の月の都。 兎どもが相変らず食っちゃ寝している。
桃はすぐにエネルギーになり、戦闘中の兎たちの胃袋を効率良く満たすことができるが
お腹が空いたときに食べたら確実に太ると思うのは私だけだろうか。


何度かここを訪れて馴れたのはいいのだが
悲しいくらいに警戒されていない。 一応穢れた人間の筈だが一回信頼を勝ち取れば
どこよりもアットホームかも知れない。


いや、限度ってもんがあるだろう。
頼むから少しは警戒してください。お願いします。


私の姿に気づいた兎たちが次に起こす行動も酷い。
いきなり持ってきた物品の梱包を開封し出す。
月の門番がいますので今は開けないでくださいと汗をかきながらお願いしても無視される。
さすがに取り出さないので少しはマシかも知れない。


タツキ姉妹がやってくればとりあえずきちんと訓練している振りをしている。
依姫に「どうです、我々の軍隊は素晴らしいでしょう」と言われても苦笑しながら同意するしかない。
私になんて言って欲しいと言うんだ。 それとも真実を言えと言うのか。
彼女の視線がとても痛い。


サボってくれたことを黙ってくれたからなのか、兎たちの反応だけは割とよい。
この模様は遠く地上のブレザー兎にも伝わっているそうで、
少しは商売がやりやすくなればなと思う。


今日納品したのは地球の調度品。 さすがに食糧とか日用品とかと言った類は
月でもお呼びでないらしい。        
天空から地上を観察しているためか知識だけはある。 彼らの注文はわりと的確だ。
幻想郷の住民と違ってごまかしは効かないがこれはこれでとてもやりやすい。


ただ梱包材とかの類は持ち帰らないといけない。
養生シートとかの類は月が穢れるというのですぐに持ち帰るという条件付きで認めてもらった。
まるで自分の車だけは綺麗にして、平気で窓の外にゴミを捨てる困った人のような
印象を受ける。


兎たちの戦闘技術を観察。 なるほど小兎姫の戦闘スタイルそっくりだ。
これで敵前逃亡しなければ十分な戦力となりそうだがどうだろうか。