□月 ●日  No763 せっかくだから私は弾幕を食べてみるぜ


早朝の永遠亭
先日、あれだけイタイ目に遭ったのに未だ天狗の企画ものが続いている。
食べ物を納品していたら、「弾幕を食べてみよう」とかあり得ない言葉が聞こえて
慌てて止めに入った次第。


タツキ姉妹の妹依姫によれば弾幕の中には食べられるものがあって
霧雨のご息女の弾幕は特に甘かったとのこと。 甘いと言うより米帝のケーキのような
甘ったるさである意味食えたものではない代物だったりするそうだ。
米帝のケーキを一度食べたらきっと分かるだろう。
あれはケーキなんかではない。砂糖の塊だ。


そんな話を聞いた二人組、早速弾幕を採取して食べてみようと言い出した。
薬屋、怪訝そうな顔で二人を見ている。
ブレザー兎、どうしていいかわからずおろおろしている。
詐欺師兎、面白そうな企画にほくそ笑んでいる。
鴉天狗、完全に傍観者になっている。


もしかして私 空気読めてない?


かくして弾幕集めが始まった。
なぜか薬屋が虫取り網を持ち出して、これで弾幕を採取できると言うので
姫とメトセラ娘被弾しながらもせっせと弾幕を集め出す。


弾幕ごっこをしている人はたまったものではない。
突然結界を破壊してやってきた来訪者にしばし呆然。
ふたりそろって被弾するわ。 明後日の方向に弾幕を放って周囲に被害を与えたりと
酷いカオス振りだ。


こうして集まった沢山の弾。 それをスナック菓子を取り出すように口に運ぶふたり。
苦いカードを引いたのはメトセラ娘、吹き飛ばした弾をよくみたらブレザー兎のものだった。
姫は泡をふきながら倒れていた。メランコリーの弾である。
薬屋曰く強力な毒素を含んでいるとか。
いろいろなものを食べてみては復活を繰り返した結果、実はまともに食べられたのは殆ど
なかった。 しかも食べた後は例外なく倒れてしまった。


怖いもの見たさで私も味見しようかと思ったが薬屋に制された。
弾幕は食べられないのかと尋ねたらひとこと
「あたりまえでしょう」
とだけ言われた。
とりあえず今日の事態を見なかったことにした。