自称現人神のところに商品を送っていたら、丁度北白河に出くわす。
自称現人神の戸籍維持のため、色々な書類にサインをさせるためらしい。
北白河が私に耳打ちしてきた。 アポなしでお邪魔したのに普段通りの外見だという。
普段人があまり出入りしないはずの例の神社。 神事のためとはいえ
人が来ないときもきちんと薄化粧をして外見を整える考えは素晴らしいというのである。
実際、岡崎当たりの姿をみればわかるが休みになったらノーブラジャージ姿が標準
だということを考慮すれば確かに言えていると思う。
北白河はそんな岡崎を観察し続けているせいか普段も小綺麗にするようになったらしい。
自称現人神にも反面教師がいるはずだということで
小声でケロちゃん帽のカミ様に聞いてみる。 何故彼女を選んだのか
すくなくても一番まともそうな外見だからだ。
すると案の定神社のお姉さんの服装がまさに幻想郷のジャージそのものだということがわかった。
ウエスト周りの締め付けもゆるめだし、多少太ってもたっぷりした衣服が覆い隠してしまう。
そんな姿をみれば自称現人神が気をつけようと考えるのもむべなるかなであろう。
だがそれだけで外見を気にするようになる物だろうか。
私は予想した。 きっと気になる異性がいるに違いないと思うのである。
少なくても自分ではないと言い切れるのが悲しい。
ふと、自分の周りが暗くなったので周囲を見渡すと、空を沢山の天狗が飛んでいることに
気づいた。しかも中には撮影する者もいる。
私は本当の理由が分かった気がした。
ここは四六時中天狗達に監視されているらしい。
これでは変な恰好などできるわけがない。
北白河もさすがにこれでは気の休まる場所がないと微妙な表情になっていた。
その部分のことを自称現人神に聞いたら、もっと予想外の答えが返ってきた。
なんでも自称現人神としてあがめられたときから常に
外見に気を配るよう教育を受けているらしい。
この話はニート姫もそうで、彼女も常に衣服は気を遣っていると聞いたことがある。
どちらも公人として活動することがあるという点で同じと言えるだろう。
周囲の目はとても大切だと今更ながらにして思う。