□月 ●日  No849 八卦炉内に隠されたもの


霧雨のご息女が使っている八卦炉が久々に回収。
主要部分の修理については香霖のメモを参考にする。
今回問題になったのはモチ製造器とマスタースパーク構成回路のバグだった。


儚月抄プロジェクトの時のこと。
月と言えば団子ということで月兎がついた餅を食べるためモチ製造器を八卦炉に組み込むことになった。
ところがスペースがタイトすぎて、仕方なく餅製造ブロックとマスタースパーク構成ブロックを
隣接することにしたのだそうだ。 これだけで頭が痛くなる。


さて回収された八卦炉だが、部品の中に餅が散乱していた。
しかもご丁寧に固まっている。 これでは速度も満足に出なかったに違いない。
香霖が匙を投げた部分があるというので中を見てみると理由がわかった
あっちこっちでカビでいたのだ。
とりあえずそれを暖めてからはがしていくことになる。


依姫がマスタースパークを斬れたのは餅混入による組成変化が原因という結論になりそうである。
マスタースパークはまるで餅が混入したような挙動と軌道をしたに違いない。
餅製造ブロックを入れなければ問題は起こらなかっただけに、やっつけ仕事をした技術部が
バッシングを喰らうのは避けられない情勢だ。


香霖が霧雨のご息女に聞いたところによると、湯を温めるのに使おうと思ったが
長時間は使わなかったということだった。 
もしあのとき湯を暖め続けていたら、餅のいいにおいがロケット内に充満。
異変に気づいたに違いない。 そのときは単に餅パーティになったかも知れない。


八卦炉ではこうした様々な回路をとっかえひっかえしながら都度専用のセッティングをしている。
スペアの八卦炉は地霊殿プロジェクトに使用。 複数武器の搭載や通信回路の設定などが
されている。 実は幻想郷でトップクラスの金が掛っている武器なのだ。


余談だが、儚月抄プロジェクトではロケット移動中空気清浄機能が大活躍したのだそうだ。
記録されているログで発覚した。
ロケット内のトイレ。メタンガスを処理するのにフロン型空気清浄機能は重宝しただろう。
某陶器メーカーへパテント料が発生したが、技術が上手い具合に使われうまくいくと
なんとなく嬉しくなるものである。