□月 ●日  No861 プレゼントのすすめ


巷ではクリスマスイブというイベント真っ盛りであるが
一般にクリスマスイブというと恋人にプレゼントをあげる日というイメージがある。
そのせいかどうかは分からないがこの時期、好いている妖怪にプレゼントを贈ろうとする輩が
後を絶たない。
できれば直接渡せばいいのだろうが、それが出来れば苦労はないようだ。


このプレゼントというのが始末が悪い。
妖怪の性格、生活状況に合わせて贈り物を贈ればいいのだが、しばしばとんでもない代物が選ばれる。
例えばルーミアに重たいステンドガラスをプレゼントしてもかさばって迷惑にしかならない。
またプレゼントが貰える妖怪はまだいい、たとえばプリズムリバー姉妹の場合はプレゼントの個数が
トラブルの原因になりかねないのである。


さて、プレゼントというのは基本的に奇をてらってはいけないモノだと思う。
インパクト狙いで変ったものをどうにかプレゼントしようとする努力は分からなくないが
そういう努力はまず無駄になることが多い。
できれば直接欲しいモノを聞くのが一番だと思うのだが、どうしてもインパクトを重視したい人が
多すぎるのは大問題である。


例の神社のおねえさんに渡して欲しいという品物を検品したらゴルフクラブが入っていてひっくり返った。
まさかオンバシラの中に空洞部分を作ってそこにクラブを収納しようと考えているのだろうか。
妖怪でも人間でもプレゼントを贈る際は相手の特性を観察して必要なモノをあげるようにすることだ。
たとえばアクセサリーの類はよい。妖怪によっては属性問題が起こることがあるが
概ね喜ばれると思ってよい。


そのことを朝倉に報告したら、プレゼントを貰えるだけマシだと言われた。
たちまち機嫌が悪くなったので、独り身を中心にクリスマスパーティをしませんかと尋ねたら
OKを貰うことが出来た。皆でクリスマスの予定を聞いたところ大半がロンリークリスマスになることが発覚。
しかもかなりの大所帯である。
霊能局からも小兎姫や櫻崎たちが参戦しており女性陣も申し分ない と思う。


メンツがメンツだけに有江さんのところを借りることにする。
浅間が友人と一緒に呑みに行っているというが絶対彼氏だと朝倉は強調する。
もっとももし彼氏ならまず彼女をアルコール依存症として病院へ連れて行くと思うのだがどうだろうか。


小兎姫が野郎はプレゼントを用意するべきだと叫びだしてどうしようかと思ったが
概ね平和に終わったと思う。 片付けが大変だが朝倉達の機嫌が悪くなかっただけマシと思うべきだろう。