□月 ●日  No860 能力がほしい?


黄昏酒場にあるとあるビアガーデン。
うちの会社のOBであるアフロのマスターはスペルカードを用いて妖怪と戦うことができたらしい。
私としても少なくても死なないようにする程度の能力を得たいと思っているので
コツを尋ねてみたら、向き不向きがあると言われた。
それでも力を得る方法ってあるのだろうかと尋ねると、蜘蛛妖怪の力を借りるのがいいという。


蜘蛛妖怪ことヤマメ嬢、彼女の感染症を操る能力には別の使い方がある。
それは遺伝子に作用して突然変異を引き起こす能力である。
その結果、何もスキルを持たない人間を超人に仕立て上げることもできるのだという。
彼女の裁量一つで妖怪に素手で対抗できる人間が生み出されるわけだから嫌がれるのも当然だ。
彼女から力を得た人間は事実何人かいるそうで、彼らは何故か全身タイツに身を包み
日々正義の味方として世界の平和を守っているのだそうだ。


ダメ元で蜘蛛妖怪に本当かどうか尋ねると、確かに本当だと言われた。
しかし人物はアトランダムで決められ、そこから精神テストをクリアーした者だけが
本当のヒーローになるのだという。
どうやら簡単にはいかないようだ。 当然か。


仮にテストに通っても最近は力を与えることには慎重になっているらしい。
過去に明らかに素質に問題がある人物が能力を得る事態が起こったからだそうだ。
その人物は明らかなメタボ体型で、能力をほとんど美女を侍らせるために利用。
あまりの体重ゆえ、糸を利用した移動手段もままならず
攻撃手段は問答無用のショットガンという有様だったようだ。


他にも何故か巨大ロボットに乗り込む奴らもいたそうで
せっかく与えた能力が満足に生かされなかったと激怒したそうである。
その前に別の問題を考えた方がいいと思ったのは私だけであろうか。


残念ながらヤマメ嬢にはいい返事を得ることはできなかったが
朝倉からは全身タイツになっても映える体型をしていないのだからそれでいいと言われてしまった。
フォローになっていないと思った。