浅間伊佐美 お酒ばかり飲んでいるこの娘はお酒が入ると頭の回転が速くなることから
業務中にお茶やコーヒーの代わりにお酒を呑んでも構わないと言われている。
それを許可したのは当時経理部にいた東村という男らしい。
朝倉にそんな非常識な許可を取ることができるのかと尋ねると、
経理部は能力主義であり、その中に妖怪も多数いるのだという。
基本的に妖怪も人間も全く同じ職務基準を採用していることから、彼女のスペックを
最大限発揮することができるのなら多少の飲酒も構わないという考え方のようだ。
経理部という部署を考えるに言わんとしていることは分かるがこの答えには
少々驚きを隠し得ない。
浅間の弾幕戦闘脳能力を買ってここに異動することを推挙したのも彼だということらしい。
彼の噂についてはもの凄い尾びれがついているので信用できる情報はあまりないのだが
少なくても旧地獄との取引を鬼を出し抜いて可能にしたという話だから
かなりの豪腕であると推測することが出来そうだ。
そもそも幻想郷に居る妖怪と取引をするには経理部の人間にもそういう人物がいないと
駄目だと言うことはわかる。
妖怪も人間と基本的に似ているから、たまには入金漏れなどもあるし、それらを誤魔化すために
妖怪の力を用いる者もいるのは想像に難くない。
だから経理の人間も当然の如くただ者ではないと思った方がいいだろう。
考えてみれば単独で妖怪と戦闘を行うことができる人間を入れていたのだから
彼らは彼らで相当危険な目に遭っているのは明白なのに、我々の方に応援を頼んでいないのだ。
経理部には高い戦闘能力を持つ者がいても不思議ではない。
仮に経理部に鬼などがいたとしたら、確かに業務中にお酒を呑んでいてもあまり文句は言われなさそうだ。
すると浅間も鬼と関係した人間なのかも知れないと思うと色々興味深いものがある。
私が知る鬼たちは、いずれも高い戦闘能力と身体能力を有している。 そして色々な学問に通じていることも
分かっている。 実は鬼たちは経理の仕事と相性が良いのかもしれないと思うと色々面白いと思う次第なのである。
それを東村という男がそうしたのかどうかは定かではないがいずれにしろ経理部の人間はただ者ではないと
思って間違いないだろうと思うのだ。