上白沢の塾で風邪が流行って大変なことになっているらしい。
取り敢えず学級閉鎖状態。上白沢も声が妙な事になっているのでマスクを着用させる。 が
当然ながら幻想郷にマスクなんてものはないのでマスクの意義から説明しないとならず
とても面倒な思いをする。
人口が限られる幻想郷において子供達の存在はとても重要である。
妖怪達も基本的に子供に対しては甘い。理由は単純で妖怪を怖がってくれる主流は
やっぱり子供だからである。
だから緊急事態になれば妖怪も皆でどうにかしようと努力するのだが
努力のベクトルが毎度おかしいのが幻想郷流だ。
妖怪達がよってたかって自分たちの民間療法を子供達に試そうとするのである。
河童達が謎の物体を持ってきて、これを食べたら精力が付くとか変なことを
言うと思えば、天狗たちは正攻法でネギなどを持ってくる。
必死度が高いのはやはり例の神社の連中。風邪の総合感冒薬を持ってきた。
しかし、彼女達は根本的な部分が分かっていない。
服用方法が分からないのだ。
飲みやすいようにカプセルの薬を持ってきたようだが、カプセルの開封の仕方から
何故私が説明しないといけないのか疑問である。
幻想郷の住民にとってはパッケージとカプセルの見分けが付かないのである。
当たり前だ。
薬屋は来ないのかと言われると一般の客相手にリソースを吸われる上に
意外と身体が弱いため、しばしばダウンする始末らしい。
仕方ないので、ブレザー兎が大活躍という有様。
意外と身体が丈夫な姫が受け付けと化しているとか。
結局ヤマメ女史がやってきて事態の収拾に当たる羽目になったが
子供だから体温が上がって当然、子供は風の子だから大丈夫だと
治療もそこそこに 我々には干渉しすぎと言って帰ってしまった。
彼女の言葉通り夜にはみんな風邪が治ったというからやれやれである。