□月 ●日  No1526 用途が違う


幻想郷では幻想入りした品々を見ることができると言うが
そうした器具が顕界にあったときと同じ使われ方をしているとは限らない。


顕界で拷問器具として使われていたものがある。
紅魔館にはそうした拷問器具がたくさんあるはずなのだが、
人間をローラーに縛り付け水責めをする器具は幻想郷で洗濯用に使われていた。
メイド長が便利だと言って使っているのだが本当の用途を告げると
きょとんとした表情をしていた。 その方が案外正しいのではと思う時すらある。


有名な鋼鉄の処女と呼ばれる器具は幻想郷では健康器具にされていた。
針が深く刺さらないように改良され、実際に刺すとあまり痛くないように
調整されたしろものだそうだが気分は最悪である。
効能は血行促進とかになっているが、妖怪基準なので人間に使ったら
恐らくアウトである。


電気椅子は妖怪用のマッサージチェアとして利用されている。
人間に使ったらとても危険なこの代物も妖怪にとっては使うと気持ちがいいものらしい。
もちろん電流を減らしているのだが使ってみるかと尋ねられたら
ご免被りたいと思う。


エクセター公の娘は妖怪の間で柔軟体操をするためと称して流行った拷問器具である。
人間が使ったら確実に脱臼することだろうが妖怪達にはもちろん関係ない。
こうした代物は危険性を減らすための改造を行っており
人間達はそれを見て恐れおののくため、妖怪達には良い餌になるのだという。


確かに相手を威圧するには丁度いいのだろう。 多々良小傘みたいな妖怪なら
それで十分相手を驚かせそうだ。
もっとも彼女は自分の実力で驚かせることに固執しているので駄目なのだが。


というわけで健康器具化された拷問器具を見たかったら紅魔館に是非遊びに行くべきだ。
なお命の保証はないので覚悟の上で。