□月 ●日  No2297 新年早々


解読屋が新年のあいさつ兼菓子折りを持ってやってくる。旧正月はまだ先だが、顕界の新年は把握しているわけである。
彼女が菓子折りを持って来た理由は一つ、彼女が開け放った妖怪の処理のためである。


博麗の巫女が徹底的にどついたとされるその妖怪は火のないところに煙を立てる妖怪であるという。
しかし煙はいつしか増幅されて本当の炎へと姿を変える。極めて危険であるが実のところ顕界では
そう珍しくない妖怪でもある。解読屋が情報体で所持していたところを見ると
スペルカードと同じ状態で顕界から幻想郷に持ち込まれた存在と考えるべきだ。


噂の処理と同じように博麗の巫女たちがとった手段は煙 それは風説などを指すものの
各個撃破である。効率も悪い上に今回はある問題も抱えていた。
それは天狗たちの力を借りることができなかったことである。
この妖怪の能力は天狗たちが見れば容易に利用できると考えられるからだ。
新聞を作る類の天狗の話ではあるが。


解読屋はこの妖怪を開け放った段階で封印方法が消えてしまったと言っていたが
これはこの封じられていた本がスペルカードに近い特性を持っていたからに他ならない。
リチャージするまでの間に時間を稼いでしかるべきタイミングで弱った妖怪を格納すれば
問題は解決するだろう。


解読屋は別の妖怪の退治のためにこの妖怪を開け放ったというが、ぶっちゃけ
このやり方はよろしくない。彼女に問題の妖怪を尋ねると、単純に倉庫の中で
置きっぱなしにしていると発生する代物だとわかった。
彼女が博麗神社に行っている間、職員総出で本の陰干しをしたというのが
実態なのである。


そんなわけで、今後は気をつけろと釘を刺して彼女を外に案内したが
彼女が要注意人物に格上げされたのは言うまでもない話である。
この店の主人はなにやっているんだか。