□月 ●日  No2097 ある意味壮大なプロジェクト


問題はこうだ。どうやって博麗の巫女にお金の使い方を教えるかということだ。
幻想の世界では、基本的に硬貨が強いというポイントがある。
これは、硬貨そのものが金属としての価値を持っているからである。
しかし硬貨は空を飛ぶ人妖には重すぎるし、飛行バランスを壊すという問題がある。
そこで、妖怪達は手形を使って、都度お金を引き出しながら利用する。
一種のキャッシュカードの類と言っても良い。顕界的に言えばトラベラーズチェックなのだが


もういい加減、手形を使って貰った方がいい。
糞狸の活躍により命蓮寺の連中は皆一様に手形を使えるようになったし、
実は経済関係なら頭が回る、三馬鹿たちは思いの外はやくルールを覚えてくれた。
もっとも三馬鹿達はそれを覚えないと本当に生命の危機に直面するという問題があったのだが。


霧雨のご息女にお願いして、手形の発行を行うのだが、
いまいち博麗の巫女には紙が価値があるという感覚になれない。
霧雨のご息女がぽんと手を叩き、一計を案じてくれた。
支払うお金を全部小銭にすれば良いのだと。


素晴らしいアイデアだ。実際に小銭を引き出すように変更したところ、
博麗の巫女は手形を使うようになってくれた。 素晴らしい。
手形をお金が幾らでも引き出せる打ち出の小槌のように思っている節があるが
まあ第一段階は突破だ。 それに手形を少額チャージで済ませている。


それで、今日なのだが、両替商 数百メートル先で突っ伏している博麗の巫女を巡回中の天狗が
発見、それを保護したというわけだ。
博麗の巫女は多額の小銭を所持しており、彼女の向かう先には団子屋があったという。
彼女を介抱しようと持ち上げるとその重量は30キログラムほどあったとか
一体どれだけ受け取ろうとしたのか あきれかえる。


ちなみに手形の残高はほとんど残っていたとだけ書いておく。
つまりはそういうことだ。