□月 ●日  No2096 金は天下の回り物


隙間妖怪に尋ねたところだが、何故八雲商事が幻想郷に物資を供給するのではなく「売る」のか。
幻想郷に必要な物資を供給するだけなら、対価は本来必要ない。ただ、物資を配給すればよい。
しかし実際にはその利益率はさておき、幻想郷の物資は基本的には全て販売という流れを取っている。
また、完全な商品よりも、原料の供給に重きを置いている。


これは結局のところ幻想の世界でも経済があるということだ。
金は天下の回り物とはよく言ったものだけど、お金が回る仕組みがなければ幻想の世界も
まともに機能することはない。 景気が良いと言うことはお金が回ることである。
たとえば八雲商事は幻想郷で物資を売るが、売ったお金は最終的には現地法人の人達に還元される。
顕界で必要なのは幻想の世界にある智恵であり、現金はほとんど幻想郷内で回ることになる。


重要なことはお金が回ることである。
くどいようだが、これが出来ないと幻想郷の内部だって景気というものはある。
景気が悪くなると社会不安が起こり、妖怪達は短期的には生活しやすくなるものの、
いずれ博麗大結界を抜けようと考える人が出現する。
そんなことになれば、結界なんてものは脆いもので、数年を掛けて潰れてしまうだろうと
言われている。


幻想郷だって経済はあるので、ただの施し気分で物資供給すれば痛い目に遭う。
幻想郷には市場があり市場を破壊する行為は八雲商事の社員であっても許されることではない。
外の世界の住人が幻想の世界で怪しい商売をすることは良くあるが、この場合八雲商事は
彼らの活動を支援することはないだろう。
実際、自称現人神が行う色々な行動について日記にて突っ込みはいれるものの
特になにかやっているわけではない。 あそこも都度商売を畳んでいるのが実態だ。


結局のところ。八雲商事というのはあくまで幻想郷の一部品でしかないってことだ。
その辺を勘違いせずに色々行動すればよいと思うのである。